J MOBILE for SMARTPHONE

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ゲストを招き、文字通り年末に大暴れするライヴイベント「放火魔 大暴年会」。2016年に続き2度目の開催で、ゲストは3組。先陣を切ったのはthe band apartだった。
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G&Voの荒井岳史は、「ちょうど20年前の‘97年にベースの原(昌和)がラジオをテープに録って、『カッコいいから聴いて』と言ってきて。2人で部屋で『BURN OUT』をコピーしたのが19歳の頃」と告白し、「20年経って対バンに呼んでもらえるなんて…鳥肌が立ってしまいました」と感慨深げ。「痺れたよね。本当に光栄です」と原も応えた。「BURN OUT」のイントロのリフを全員で奏で会場を沸かせた後、「Castaway」「Eric.W」などを披露。荒井のカッティング・ギターがグルーヴを牽引し、それぞれに高いプレイアビリティーを誇るメンバーの音が有機的に絡まり合い、悦楽の世界へと誘われた。熱の高まったフロアは、2番目のゲストDOOMの登場でまた違った空気に包まれることになる。


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Jバンドのサポートを長年務めた藤田タカシ率いるDOOM。ヘヴィーに歪んだ鋭いギターサウンド、重くしなるベース音、複雑な拍子を刻む怒涛のドラミング。曲の切れ目の一呼吸すら気を緩めることがない、スリルと緊迫感が凄まじい。絶技巧的プレイだけでなく、シンプルなフレーズも彼らの手に掛かればすべてが“ヤバい”音になる。圧倒され、観客はじっと聴き入っていた。激しさの中にも歌心と美しさが宿る「Slave Of Heaven」で異世界の宇宙へと誘い、「Thank you !」(藤田)との一言だけ残してアクトは終了。硬派なヘヴィー・ロックバンドの神髄に触れる30分間だった。


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続いて登場したのは、アナーキーの仲野茂、中村獅童がヴォーカルを務めるパンクバンド高樹町ミサイルズ。2人はステージを動き回り、時には向き合って格闘するような体勢でパフォーマンスする。衝動をストレートに歌った「恋をしようよ」を披露し終えると、「今年も残すところ2日。さっきまで歌舞伎もやってたもんでね」と1月3日の新春歌舞伎に向けた稽古を終えて駆け付けたことを明かした中村。「元々はJがつくったバンド。名前(を付けたの)もJだぜ?」と2006年の始動の経緯を振り返った仲野。中村が「テレビじゃ言えない話」と笑いながら自身の私的なエピソードを語ったのも、何でもありの暴年会ならでは。ラストにはアナーキーの「ノット・サティスファイド」を放ち、破天荒でハチャメチャで熱いパフォーマンスで観客を楽しませた。


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逆光に照らされるステージにいよいよ登場した首謀者Jは、容赦なく攻めたてるメニューで大暴れ。「飛ばしていくぜ!」とシャウトして始まった「go crazy」から、早くもフロアでダイヴが起きる。
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「Sixteen」では2人のギターmasasucks、ゴッチンも前方へ歩み出てプレイ。今回のドラマーは、Jのアコースティック・プロジェクトD.F.F.のメンバーを務めたこともある城戸紘志だ。
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観客の掛け声とJの歌声は完璧にタイミングが合致。この阿吽の呼吸は、ソロ20周年という歩みの賜物だろう。

「とんでもない素晴らしいゲストの方が来てくれて、とんでもない日になってます。騒いで暴れて帰ってください!」とJ。「この渋谷、全部燃やせ!」と「PYROMANIA」を投下し、Jの「カモン!」を合図に観客は火を灯し、美しい“星空”に見惚れた。ベスト盤収録の最新楽曲「one reason」、「Verity」と連打した後の「I know」は唯一メロウに、誰かに語り掛けるように歌い奏でる。ブルーのライトの中白く光るピンスポットを浴び、深い低音を響かせたエンディングが実に印象深かった。

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「今年もとんでもない最高な年になった気がするんですけど、どうですか?」とJは問い掛けると、「ツアーもやって、夏にもライヴをやって、実はアルバムに向けた曲も書き始めていて」「10作目の“その先”を楽しみにしていてほしい」と、20周年イヤーを振り返るだけでなく新たな活動も示唆し、ファンは歓喜。「愛してるよ!」の声が飛ぶと「俺も愛してるよ!」とJが応じる場面も。
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終盤は「RECKLESS」「break」と続け、未来を、新たな世界を見たいという想いを歌で、音で表現するJ。「NOWHERE」では全身全霊のエモーショナルな歌声を響かせ、本編ラストの「Feel Your Blaze」では観客の歌声も交えながら美しいハーモニーを織り成した。Jは緩急に富んだ歌声を聴かせ、最後は声を枯らさんばかりにシャウトしていた。

すっかり熱の上昇したフロアは当然、アンコールを求めた。再登場したJは、「あっという間の20年間だったけど、いろんなことを刻んで来た。それも皆が支えてくれたから。どうもありがとう!」と観客、メンバー、スタッフに感謝を述べた。「Go Charge」を放つと、フロアとの呼吸が合ったコール&レスポンスを交えながら、これでもかと熱を高めていく。
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ここで終演かと思いきや、ゲストを招いた豪華セッションへ。まずはthe band apartの荒井を呼び込み、恐縮する荒井を「真ん中に来たら?(※通常の立ち位置は上手側)」と誘った。「Jさんのマイクで今しゃべってます、吐きそうです!」と荒井は極度の緊張を表現し、笑わせた。続けて、「俺の知ってる藤田さんと違うんだよな」とJは語りながら、「もしDOOMのままで来たら、茶化すなよ? でも、変えてきたら変えていけよ?」とファンに注意事項を言い渡し、呼び込み。藤田はDOOMモード解除の状態で登場。にゃんこスターのフリすら真似て見せるキュートさで、会場は沸きに沸いた。続いて、高樹町ミサイルズからは仲野と中村を呼び込み。「高樹町ミサイルズ、俺がつくったの!?」と記憶を確かめるJに、「そうだよ!」と返す中村。「たまには参加したほうがいいんじゃない?」と仲野に誘われると、Jは「そうですね。またミーティングしないと。茂さんには馬の乗り方を教わって…」と意外な交流を明かし、ファンを驚かせた。
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最後にアナーキーの「心の銃」「東京イズバーニング」を全員でセッション。仲野と中村の間で、笑顔で2人を見つめつつベースを奏でていたJ。やがて仲野はTシャツを脱ぎ投げ捨て、狂騒のうちにライヴは終了。「本当に今年もどうもありがとう!」という感謝の言葉と、「次に会う時まで、何があってもくたばんなよ!」という約束の言葉で、大暴年会は熱狂のうちに幕を閉じた。

5月5日(土・祝)には東京・新宿BLAZE、5月13日(日)には大阪・umeda TRADにて、 J MOBILE史上初の会員限定ライヴが開催される。
MCで語っていた通り、新たなアルバムに向けての楽曲が既に生まれている。そして夏には全国ツアー開催という状況にも期待が高まる。20周年イヤーを完走して尚、Jの勢いは止まらない。
(取材・文/大前多恵)(写真/浜野カズシ)

会員限定ライヴ
「J MOBILE LIMITED LIVE vol.1」
チケット大好評受付中!!

チケット先行受付期間
~1/9(火)23:59まで
公演概要
■2018年5月5日(土・祝)【東京】新宿BLAZE
Open16:00 / Start17:00
■2018年5月13日(日)【大阪】umeda TRAD
Open16:00 / Start16:30
受付はこちら!!

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